アンチョビー作り

梅雨から夏の間に、おいしい鰯が出回ります。魚屋さんによると、この時期の鰯を「入梅鰯(にゅうばいいわし)」と呼ぶそうで、旬なのだとか。

この時期には、普通のサイズの鰯のほかに10センチもないような小さなものも少しだけ売られます。何年か前にその鰯を使って、初めてアンチョビーを作ってみたのですが、これが市販の物よりずっとおいしくて気に入ったので、今年も作ることにしました。

 

アンチョビーには「カタクチイワシ」を使うようですが、いつものスーパーで手に入るのは「背黒イワシ」。前に作ったときは気にもせず調べもしなかったのですが、今回ふと気になって調べてみたら、なんと呼び名が違うだけで同じものでした!

どおりで全く違和感なくアンチョビーが仕上がったはずです(笑)

 

すっきりしたところで、さっそく作業開始!

まずは鍋で塩水を作って、冷まします。軽く洗って水を切った鰯を容器に並べ、塩水を注いで冷蔵庫で一晩。

金属のようにぴかぴか光る体が不思議でつい観察していると、鰯たちと目が合ってしまいました。ちょっと恨めし気にも見えて気まずいですが、切り身の魚などよりも「命を頂いている感じ」がして、わずかに背筋が伸びるような気持ちになります。

 

翌日、鰯を引き上げて頭とわたを取り、さっと洗ってペーパータオルで水気を拭きます。容器に鰯を並べては塩を振るのを繰り返し、最後は塩をたっぷりと。

作業量としては物足りず、手がまだ何かをしたがっています(!)が、今できるのはここまで。鰯を再び冷蔵庫に入れ、3ヶ月ほど熟成を待ちます。

 

ちなみにこの続きは以下のとおり。

冷蔵庫の隅で(ときどきその存在を忘れながら)3ヶ月寝かせたら、ようやく取り出します。

流水をかけながら、締まった身を手開きして骨を抜き取り、水気をしっかりとふき取って今度はオリーブオイルに漬けます。防腐と風味付けを兼ねて、ローリエの葉も一枚。これで完成です!

 

べつに高価なわけでもないアンチョビーですが、ではなぜ作るのか?その答えは単純明快、美味しいから!

手作りなら市販のものより塩気を控えてマイルドにできますし、鰯自体がフレッシュでまったくの別物に感じます。トマトソースのパスタに入れても、ピザに散らしても、ロメインレタスと軽く煮込んでもいい。アンチョビーの味が前に出てくる料理はもちろんのこと、隠し味として使っても美味しくなります。

秋に仕上げの作業をするのが、今から楽しみです。